2018年は副業元年といわれ大手企業でも副業を解禁したり、副業として働く人も急速に増えました。弊社でも実際に副業人材を活用しましたが、今回は副業人材の採用方法や注意点。また社員が副業したいと言ってきたらどうするか?などをお伝えしたいと思います。
目次
長野県でも副業人材を活用する企業が増加
先日の日経新聞のニュースで、長野県内でも副業人材の活用が広がっているという記事を目にしました。
長野県内、副業人材の活用広がる
※情報提供元:日本経済新聞
長野県は立地的に首都圏から近く行き来がしやすため、副業人材を採用しやすいと思います。昨今の人材不足の影響から正社員等に拘らす柔軟に人材を採用していく必要があります。
企業が副業人材を採用するメリットとしては、優秀で高給な人材に安価な料金で仕事を依頼できるということだと思います。例えば年収1000万円の人材を正社員として採用しようとすれば、中小企業ではなかなか大きな決断が必要ですし、求人を募集したところで魅力を伝えて応募を集めることも難しいです。また実際に採用しても思った通りの実力があり結果を出してくれるかわかりません。
これが副業人材になると、例えば都内のIT企業で年収1000万円で働いている方が、副業として週に1日で月4日働いてもらう。給与は1日5万円で月に20万円となります。業務委託契約なので社会保険等も必要ありませんし、これなら新卒の正社員を雇用するより安価になります。また成果が伴わなければ契約を解除できリスクも軽減できるのです。料金は一例なので、もっとコストを抑えたい方は、月額3万円程度から依頼ができる副業人材もあります。
副業人材おすすめの採用方法
実際に副業人材を採用したいとき、活用できそうな求人サイトや人材紹介会社をご紹介しますので参考にしてください。
JOINS
費用は1ヶ月お試しがあり5万円~、正式契約は3ヶ月単位で30万円~+人材紹介手数料20万円
業務改善・ITツール導入・人事評価制度改善など40代・50代の都内の人材が中心。
プロの副業
費用は20万円~/月で、人材は年収800万円以上の30代・40代の現役が中心。
ハイクラス
費用は、副業人材への業務委託費+人材紹介手数料で、人材は取締役や事業部長クラス。
スキルシフト
費用は利用料は無料で、副業人材へ月に3万円程度から、自治体と連携したり地方貢献副業プロジェクト。
またハイクラスの人材に副業を依頼するのではなく、定形業務や雑務など本来やるべきでない業務を外部に委託するクラウドソーシングという手法もあります。大手のサイトだとクラウドワークスやランサーズなどが有名です。
副業人材を採用する際の注意点
次に副業人材を採用する際の注意点をお伝えします。まず自社の課題を明確にし、それを解決するための人材要件を具体的に決めるということです。また自社の課題を解決した先にどんな姿になっているのか目的も考える必要があります。
例えば社員の給与を公平に決めるため人事評価制度を構築しようと思います。人事評価制度の構築経験のある方を副業人材で募集し作ってもらいます。しかし運用してみたら社員のモチベーションが下がってしまい、結局制度を廃止してしまったということもあります。
この話ですと人事評価制度は手段であり、目的は社員がモチベーション高く働き、会社の業績も向上することかと思います。そのため公平な評価が必要だと思い、人事評価制度を導入しようとなったのだと思いますが、評価する基準まで会社として明確になっている必要があります。
例えば売上成績を最重要視するのか、それともお客様への訪問回数など行動数を最重要視しするのか、個人プレイなのかチームプレイなのか等、いくつもの要件を決める必要があります。そして単に人事評価制度を構築した経験があるという要件だけで副業人材を採用するのではなく、営業担当100名以上の規模で個人プレイの売上結果を重要視した人事評価制度を構築した経験がある方など具体的に要件が一致した方を採用をする必要があります。
ちょっと話は変わりますが、人事評価制度や社員のモチベーションでお困りの企業の方がいましたら、課題の発見からモチベーション向上までトータルで支援をしますので、ヒューマンインデックスまでお気軽にご相談ください。
話を戻しますが、人事評価制度に限らず、IT化により業務改善や新商品の企画など、手段に目を奪われ副業人材を採用するのではなく、目的から課題をしっかり明確にしないと失敗する可能性が大きくなりますので注意してください。
社員が副業をしたいと言ってきた
ここまで企業が副業人材の活用する方法をお話しましたが、副業が広がってくると自社の社員が副業をする可能性も大きくなってきます。実際に大手企業では5割が副業を解禁しているようです。副業を解禁する目的は、外部のノウハウを吸収し人材育成や新事業の開発につなげたいとの期待が大きいようです。ただし複数の職場で働く従業員の労務管理などの課題も出てきています。
副業解禁、主要企業の5割 社員成長や新事業に期待
※情報提供元:日本経済新聞
実際に弊社でも昨年あたりから副業を希望する社員が出ております。毎月行っている1on1の際に相談され了承しました。会社からお願いしたのは「会社の顧客とターゲットが重ならないこと」のみです。長野県内の企業で人材事業のターゲット層や登録して頂いた求職者の方などに副業の商材を勧めないということです。それ以外は特に条件がなく、あとは労働時間が長くなり体調を崩さないように注意してもらえれば問題ありません。
社員の副業を解禁し支援するぐらいがちょうどいい
知り合いの社長さんと話すと「社員が副業したらノウハウが外部に漏れる」とか「副業する時間があるなら本業を頑張ってほしい」などの声も聞きました。確かに情報漏えいに関してはリスクがありますので、細心の注意を払い未然に防ぐべきです。
しかし副業を禁止するというのは、これからの時代は企業にとってもリスクとなると思っています。なぜなら最近はニュースでも終身雇用の崩壊・転職が当たり前・個の時代やパラレルキャリアの推奨など、個人の価値観が大きな変化を迎えています。そんな中で企業側のスタンスだけ変えずにいると、社員が転職してしまう可能性や採用がうまくいかない可能性が大きくなってしまいます。
上場企業など大手企業の場合は様々な問題もあり、すぐに副業を解禁できない企業も多数います。だからこそ中小企業にとっては、会社の魅力として「副業解禁」を求人募集でアピールすることも一つのウリになります。特に中小企業の場合は、給与など条件面だけでは大手企業と比べると見劣りしてしまいます。働き方改革で残業代が稼げなくなってしまい給与面で不満を持つ方も多くなったと聞きますが、残業がなくなった分、時間は余るようになる。そこでその時間を活かし副業をし、月数万円でも稼げるようになると、生活も今まで通り安定し転職を考えなくなるということもありえます。
また最近の20代30代は給与以外に、仕事の魅力・やりがい・達成感などを強く求める傾向があります。もちろん本業のみでそれを感じられ持続することが一番良いですが、モチベーションには波がありますし、本業では得られない魅力ややりがいもあります。本業や副業に関わらず、自分の意志でやりたいことをやり、やりきった達成感を得たりすると、人間的に一回り大きくなったり成長するということは良くあります。中小企業にとっては社員一人ひとりの成長が会社の成長に直結します。副業で得たスキルや成長は会社にとってもプラスになって返ってきます。だからこそ社員が副業をしたいと言ってきたら、支援するぐらいがちょうどいいのかなと思っています。
ただし副業をすることは、人により向き不向きもあると感じています。なので社員全員に副業を推進したり、いきなり副業解禁と宣言をするのではなく、まずは「副業をしたい」と社員が思ったら相談してもらえるような関係づくりが最優先かと思います。それには定期的に個人面談1on1を行うことが効果的です。弊社でも実施していますが、1on1で何を話したらいいかわからない。最初はいいけど継続していくのが難しい。などお悩みも聞きますので、お困りことがあればヒューマンインデックスまでお気軽にご相談ください。
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