厚生労働省が発表した正社員の有効求人倍率が1.01倍となり、調査開始以来はじめて1倍を超える事態となりました。つまり正社員の仕事を探している人よりも、正社員の求人数が多くなり、より選ばれる正社員求人でないと応募が出ない状況になっています。
この原因は人材不足が加速し、アルバイトやパートで募集していたが人材が集まらないことから、正社員の求人に変えて人材を集めようという動きが企業に広がっているためです。ただ単に雇用形態を正社員に変えたから求人に応募があり採用が出来るかというと、そう上手くもいかないようです。
それではどうやって求人情報を作成し応募を集めたら良いのか?具体的な手法をお伝えしますので採用の参考にして頂ければ幸いです。
正社員というだけでなく求人全体の待遇面を見直す
まず正社員と聞くと求職者の方が、どんなイメージを持つのか?考えてみます。雇用が安定している。賞与が出て給与が高い。福利厚生が充実している。といったところでしょうか?!アルバイトを正社員の雇用形態に変えたところで待遇面は変わらなければ、なんちゃって正社員になってしまいます。
求職者の方が仕事を選べる状況にある現状では、同じ正社員の求人と比較されます。すごく給与が高かったり福利厚生が充実している必要はありませんが、他社の求人と比べてあまりにも劣るようでは応募が減りますので、調整する必要があります。金額の調整ですが、給与や待遇を分解すると基本給・各手当・賞与・退職金・企業年金などに分けることができます。
就業規則で決めていたり既存社員との兼ね合いもあり、制度を大きく変えることが難しい場合もありますが、時代の変化と伴に求職者が魅力的に思う制度に変更していくことも必要です。たまに退職金や福利厚生面で大企業並に充実している中小企業がありますが、近年では退職金制度をなくす企業もいます。終身雇用が当たり前だった時代から変わりつつありますが、退職金を積み立てる金額を賞与として支給し、賞与額を魅力的にすることも出来ます。
価値観は人それぞれなのでこの良し悪しはさておき、ターゲットとする求職者が何に魅力を感じるのか?よく考えて調整する必要があります。
正社員求人は具体的な業務内容でやりがいを伝える
ハローワークの求人票を見ると、仕事内容を箇条書きで3行程度しか書いてない正社員の求人があります。
内容が全くわからないという訳ではないのですが、あきらかに説明不足です。特に未経験者もターゲットとしている正社員求人の場合は、その仕事を知らいない人が見ても何をやるのか理解ができるよう説明する必要があります。
また営業職であれば、販売する商品にはどういう特徴があるのか?業界でのシェアは?評判は?など商品に関することから、販売方法はネットによる反響営業か?それとも展示会などで販売するのか?など具体的な方法も伝えます。1日に対応するお客様の件数など具体的な数字も記載したり、1日のスケジュールなども記載するとイメージが湧きやすく良いでしょう。
また仕事のどの部分にやりがいを感じ、どの部分は大変なのか?など、良いことも苦労なことも包み隠さず伝えることで、求職者が自身に合っているか判断しやすくなり、ミスマッチも減らすことに繋がります。
求人をみて正社員としてのキャリアパスがイメージできる
正社員として働く=安定して長期で働く、と多くの求職者が考えています。その場合に重要になるのが、キャリアパスがイメージできるかどうかになります。
まず入社して行う業務を記載しますが、数年後にはどんな業務内容になり、どんな立場として活躍することが可能なのか。段階をおって成長できる環境があるか。など長期視点でイメージできることが大事です。
特に中小企業の方にとっては、大企業と比べ安定していないイメージが強いですから、重要なポジションを早く経験でき成長に繋がる等、しっかり伝えることでアピールポイントにすることが出来ます。会社側としてはどの部分に対して手厚くサポートをし、個人はどこに注力し頑張れば良いのか明確になっているとイメージがしやすいですね。
正社員求人のまとめ
今後も少子高齢化による労働人口の減少から、人材不足の傾向は続いていくと思われます。正社員の求人に限らず、求職者の方からどうすれば選んでもらえるか?をしっかりと求職者の目線で考え、その内容を求人票に落とし込み、伝えていく重要性が増していきます。求人募集はしているが応募がない企業の方など、求人に関してお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
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